職業解説 |
鍼灸師の仕事
鍼灸師という仕事をご存知の方も多いかもしれませんが、実は鍼灸師という資格はありません。はり師ときゅう師、両方の国家資格を持っている人のことをいいます。はり師ときゅう師は別々の資格ですが、両方を同時に受験し施術も両方行っている人が多いため、まとめて鍼灸師と呼ばれています。
はり師ときゅう師では施術の内容が異なりますが、「東洋医学に基づいたものであること」「人が本来持っている自然治癒力の活性化が目的であること」はどちらも同じです。はり師は患者さんの症状に合わせて適切なツボに金属のはりを刺し、刺激を与えます。はりは非常に細いので痛みはほとんどありません。刺激を与えて血流のバランスなどを整え、治療を行います。そしてきゅう師は、もぐさを燃焼させることでツボに温熱刺激を与えます。日本でこの鍼灸を行えるのは、はり師ときゅう師、そして医師だけです。
鍼灸師の活躍の場は多岐にわたりますが、鍼灸治療院への勤務や開業が基本です。整形外科のリハビリや内科・神経内科の疾患治療に鍼灸を取り入れているような病院に勤務する鍼灸師も多いようです。そういったところでは患者さんの痛みの緩和や、リハビリ支援を行います。その他、プロスポーツチームや社会人のスポーツチームなどの専属トレーナーとして鍼灸治療を行うことも可能。ただ定員がそれほど多くないので、競争率は高くなっています。
ちなみに、はり師やきゅう師の国家試験は誰でも受験できる訳ではありません。まずは定められた学校に通い、国家試験の受験資格を得ることになります。受験資格は養成施設で3年以上の専門課程を修了すると得られます。養成施設は大学、または専門学校が一般的。例えばこちらの専門学校の鍼灸コースでは学科を横断した他w職種連携が行なわれる予定になっています。鍼灸分野を超えた応用力が身につくでしょう。
はり師ときゅう師だけではなく、あんまやマッサージ、指圧を行うあん摩マッサージ指圧師の国家資格を持っておくと、就職先の選択肢が増えたり開業時に有利になったりと活躍の場が広がります。こういったこともあり、あん摩マッサージ指圧師の資格もあわせてとれる養成学校の人気も高まっているようです。